世界初のフランチャイズビジネスはアメリカで生まれたケンタッキーフライドチキンだと言われています。日本では1960年代、高度成長経済期に洋菓子とレストランを手がける不二家と清掃用具のレンタルを行うダスキンがいち早く取り入れたと言われています。
しかしこれよりも遥か昔、江戸時代には既にフランチャイズビジネスの原型とも言えるビジネススタイルが日本で確立されていました。それが「のれんわけ」と呼ばれる制度で、弟子が修行を経て独立して自分の店をオープンする時には修業先ののれんと同じ屋号で商売することを許されるという制度です。江戸時代の日本は最先端のビジネス国家だったのです。
フランチャイズという言葉もこの「のれんわけ」と殆ど同意義で使われます。つまり、屋号やロゴなど商標登録されている一部の特権を与えて、同じ経営スタイルを取らせて多店舗展開する業務形態です。
一方、プロスポーツの世界では興行権や本拠地という意味合いでもフランチャイズという言葉が古くから使われていました。フランチャイズビジネスにおいて屋号やロゴなどの特権をあたえる側の企業を「フランチャイザー」と呼びます。
日本では本部や本部企業とも称されます。一方特権を与えられる側を「フランチャイジー」と呼びます。こちらは日本語では加盟店や加盟者という呼ばれ方が一般的です。
フランチャイズビジネスが日本で急速に発展したのはやはり「のれんわけ」制度が江戸時代から一般的だったからだと思われます。屋号や商標というブランドを日本人は江戸の昔から大切にしてきたことのあらわれなのです。 |